歩行の理
本日は腰が痛いというお客様のご来店です。
こちらのお客様の場合、腰が痛くてまっすぐ伸びず、いかにもおじいさんという感じに腰が曲がって歩いておられました。
その為、腰の施術をした後に歩行の訓練を行いました。
腰が曲がってしまいますと重心の操作がきちんとできない為、歩行がきちんと出来なくなってしまいます。
これについて理を説明しますと、人間の歩行というのは手足を動かして重心を動かすのでは無く、重心がまず動いて、そこに手足がついてくるというのが理にかなった動きなのです。
前者の動きを「静歩行」と言って、要は重心が自分の体の範囲の中にある動きになり、後者の動きを「動歩行」と言いまして、自分の体の範囲から重心が出てしまう動きです。
前者の動きを想像して頂くと、手足を大きく動かしている軍隊の行進、後者の動きは2才くらいの子供が歩いている、ちょっとフラフラしたような動きを思い出して頂けばよろしいかと思います。
普通の人は、実は皆「動歩行」をしています。これが腰痛などの原因により重心をまず動かす動きを体が忘れてしまうことがあるのです。この「動歩行」を忘れてしまった歩き方が「静歩行」になります。
具体的に対処の方法を説明すれば、まず腰がきちんと伸びる状態までよくして、その後に歩行の際に手足よりも先に丹田(下腹)を送り出す動きを覚えて頂くことで、今まで当たり前に行っていた歩行の感覚を思い出して頂くようにします。
体の状態がよくなり、感覚を思い出してもらえば、後は当たり前に今まで通り動けるようになります。しかし、これは歩行など全ての動きを手足の動きと考えている限りきちんと対処が出来なくなります。
この理をきちんと理解しなければこういった対処は出来ないのです。
またのご来店をおまちしております。